おてらからのおたより ―平成26年7月のことばー
「誰の言葉からも何かを聞き取ろうとする人は 常に進む人である」 今年もあっという間に半分が過ぎました。私にとっては五重相伝会から二カ月が過ぎてしまったと言う方が合っていますが…。 五重相伝の後片付けも終わらない五月の末、関西へ布教の旅に出掛けました。今回は京都と大阪に宿をとり、滋賀・兵庫・京都での法話。それぞれのお寺への移動は、法衣に雪駄を履き、スーツケースをゴロゴロ引いて、電車とバスを乗り継いで参ります。大概、この格好ですとあまり人とぶつからないのですが、今回は何故か沢山ぶつかります。「なぜ、こんなに?」と、ぶつかる度にその人を見ると、携帯電話なのか、ウォークマンなのかは分かりませんが、ほとんどの人が耳にイヤホンをしています。まるで外の世界を拒絶し自分の世界だけで生きているような感じさえします。ぶつかった事に気付いているのか、気付かないのかは分かりませんが、すいませんの一言もほとんどなく、あっても心無い感じです。ぶつかられた方は何か釈然としません。せめて挨拶や“ありがとう”“ごめんなさい”位はお互いに気を付けたいものです。 でも、人の振り見て何とか…。実際にイヤホンはしてなくとも、他人様の言葉にちゃんと耳を傾けているか?う~ん、耳がいたい!しっかりと聞き取り、何かを感じ取りたいものですね。合掌