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9月のことば

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  「阿弥陀仏に 染むる心の 色に出でば 秋の梢の 類いならまし (法然上人)」   残暑が残るものの、一気に秋を感じる季節になりました。境内の桜の葉も紅く染まりはじめ、夕暮れ時にもなると多くの虫の音が聞こえ、涼しさも相まって心地良いひと時です。 でも、私たちの心地良さとは裏腹に、当の虫たちは何としてでも自らの種を残そうと、目的を達成できるまで必死にアピールし続けているのでしょうね。 一方、私たちが称えるお念仏はいかがでしょうか。 お墓や仏壇の前だけだったり、気の向いた時にしかお念仏を称えない人もいるかもしれませんね。 では、お念仏はいつ、どのように称えたら良いのでしょう? 法然上人の時代には、お念仏は一度だけ称えれば良いという教えや、いやいや沢山称えなければいけないという教えなど、法然上人の御教えと異なる教えを説く人々が現れました。 法然上人は、たった一遍のお念仏であっても阿弥陀様に西方極楽浄土へ救われると信じ、生涯お念仏を称え続けるのですよ、と示されています。一遍称えれば良いのでも、多く称えなければいけないというものでもありません。   「阿弥陀仏に 染むる心の 色に出でば  秋の梢の 類いならまし」 (あみだぶに そむるこころの いろにいでば  あきのこずえに たぐいまらなし:阿弥陀様への想いが 色に表れるというようなことがあるならば、まるで秋の紅葉で木々の梢が紅く染まっていくようなものであろう)   間もなく秋のお彼岸を迎えます。   自らの力では渡ることの出来ない『かの岸・西方極楽浄土』へと救われるという目的を果たすまで、まるで美しく染まる紅葉のように阿弥陀様へ想いを満ち溢れさせ、日々心を込めてお念仏をお称えしましょう。