おてらからのおたより  ―平成27年2月のことばー

 「信仰の 泉に湧く愛 湧く希望」

 長男坊の立志式に行ってきました。立志式とは、男子が成人したことを示す『元服』の儀式にならい、中学2年生の生徒たちがこれまでの自らを顧みながら将来の夢や希望を発表する会です。150名を超す生徒の発表を聞きましたが、あまり夢がないなぁというのが正直な感想。野球が好きだからプロ野球選手になりたい!お花が好きだから花屋さんになりたい!そんな具体的な夢を語ったのはほんの一握りで、家業を継ぐ!なんて子は…。夢を見ないのか、夢を見られないのか、いずれにせよ私たち大人が夢や希望を持ってないからなのではないかと思いました。

テレビや雑誌では、最近〇〇葬なるものを良く目にします。ただ遺体を焼くだけの「直葬」、唯一残る亡骸も海にまいてしまう海洋葬、大事な家族のお骨さえも他人任せにする「ゼロ葬」、などなど…。これらには「葬」という言葉が入っていますが、「葬」の目的である“敬い”“弔い”などの供養の心は見当りません。ただ、大切な家族を“処分”しているだけです。

この世が終われば全ておしまい。人は生まれた時から死に向かって突き進んでいるのが人生だと思いこんでいるのでしょうが、このような背中を見て育つ子供たちが明るく楽しい未来を描くことなど出来るわけがありません。親を敬い、人を敬い、時を大切にする。生と死という命と向き合い、この世の命を終えた後にも素晴らしい世界がある、そう思えるのが信仰というものです。         合掌

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