12月のことば


 

「人の振り見て我が振り直す」

子供のころ、良く親に言われた言葉です。今となっては自分が親になり言われる事も無くなりましたが幾つになっても大切な言葉だと思いました。

 

先日、出張のために訪れた空港で、旅客が空港職員にクレームを付けている場面に出くわしました。えらい剣幕でクレームを言っていたのは60代と思しき女性、両手を前に合わせ何度も頭を下げながらクレームを聞いていたのは20代の女性。何が原因でどちらが悪いのかも知りませんが、クレームを聞いている女性が私の娘と同年代の為か、「何も出発前にそんなにガミガミ言わなくとも」と思わず眉をひそめました。でも立場を入れ替えて、私がとんでもないミスをされ大事な法務に支障が出たらどうしていたか?いずれにせよ自らの怒りを他人にぶつけている姿は格好の良いものではないことを気付かされました。日頃、すぐにプリプリしてしまう私は、これまで数えきれないほど格好が悪い姿を晒していたと恥かしくなりました。

 

「人のふり見て我がふり直す」

現代では、この言葉は悪いモデルを見て我が振りを直せとの意味合いが強いですが、元々は良いモデルを見て我が振りを直すことも教えてくれています。

他人を批判することは得意な昨今、他人の良いところこそを真似したいものです。

 

年末の気忙しい日々。

阿弥陀様をはじめ、お念仏を称えて極楽浄土へ先立たれた人々は、「私の振り」をご覧になっています。

こんな時こそ時間や気持ちに余裕をもって大らかに過ごし、しっかりとお念仏をお称えし、より佳き新年をお迎えしましょう。合掌

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