おてらからのおたより  ―平成26年12月のことばー

 「“私の身にもなってくれ”この言葉は、人の身になる難しさを表している」

 チラチラと雪が舞う季節となり、今年もあとわずかとなりました。この時期、私を煩わせるのが踵のひび割れです。時々、クリームを塗ったり、厚くなった部分を削ったりしますが…。「そんな大きな体して、なに踵のひび割れくらい…」と言われるのが関の山なのですが、当人にとっては、歩くたびにチクリとして、本当に嫌なものです。

 震災から4年を迎えようとしていますが、ここにきてあちらこちらの裁判がクローズアップされています。私と妻が卒園した日和幼稚園は和解に至りましたが、多くの子供達が亡くなった大川小学校、山元町の保育園、防災無線の故障や間違った誘導によって沢山の方が亡くなった閖上、女川の七十七銀行、などなど…。

様々な所で、心無い言葉を耳にすることが多くなってきました。「裁判をしても亡くなった子供は帰って来ないのに…」、「後ろを振り返らず、もっと前を向いて生きればいいのに…」、「そんなにお金が欲しいの?」。被災者はあくまでも遺族です。大事な家族が帰って来ないのは遺族が一番分かっていますし、お金が欲しくて裁判をしている人は一人もいません。当事者の身になり、心ある優しい想いで見守りたいものです。                          合掌

※遺族の心の声を聴く会が開かれます。 『震災フォーラム』1220日 午後1~5時 アエル28階エルソーラ仙台大会議室 入場無料 

年末の忙しさにも心を無くさぬよう、お念佛をしっかり称えましょう。 

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