おてらからのおたより  ―平成26年10月のことばー

 「現在は 過去の集積である 未来は いま重ねつつある」

 焼きナス、煮びたし、田楽、天ぷら、などなど。“秋ナスは嫁に食わすな”の言葉のように、ナスの美味しい秋本番を迎え、街路樹の落ち葉も増えてきました。

 おもてを掃きながら道行く人々を見ると、歩きタバコに歩きスマホ、歩きアイスに歩きご飯の人まで…。どれも感心しませんが、この「歩き〇〇」の元祖と言えば二宮金次郎が思い浮かびます。

まきを背負い本を読みながら歩く姿は、「勤勉」の大切さを表わしていると習いましたが、実はあの姿には、もっと深い意味が込められているといいます。

それは本を読むことや勉強することは大切なこと。しかし、もっと大切なことは働くこと。更に大切なことは、どんな時でも諦めず、くじけず一歩前に足を踏み出す大切さを表わしているのだそうです。

 ある時、ナスを食べていた金次郎は味に異変を覚えます。ちょうど田植えが終わった頃に食べているのに、なぜか秋ナスの味がする。秋の味と言う事は次に来る季節は冬。きっと今年は冷夏になるだろうと気付き、植えたばかり稲を抜き、寒さに強いそばなどに植え替え、飢餓から村の人々を救ったといいます。

美味しい美味しいとだけ秋ナスを頬張る私達ですが、行く末を見据え、お念佛だけは肌身離さずお称えしたいですね。                 合掌

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