おてらからのおたより  ー平成25年7月のことばー

 「み教えは 転ばぬ先の 道明かり」

出張が続きました。五月下旬から六月初旬まで、京都・東京・山形・奈良・東京・東京。聞けば、子供達も慣れたもので、「今日はどこに行ってんの?」何て事は、いちいち聞かないとのこと。何だか複雑な気分です。飛び石で食べる晩御飯も「なんか随分久しぶりに一緒にご飯食べてるな」そんな思いにかられることもしばしば。先頃選ばれたサラリーマン川柳に「妻と子に話しかけたが独り言」こんな句がありましたが、いないのが普通と思われないように気をつけているつもりですが…。

以前、活躍したプロレーシングドライバーは、自分が出場するレースの前日の夜、必ず家族そろって晩御飯を共にしたといいます。まさに命懸けの仕事、明日をも分からぬ命。「いつ、いかなる時に何があっても…」そんな覚悟が感じられますね。

でも、生と死が隣り合わせである事は、何もこのプロドライバーだけではありません。プロドライバーほど、リスクは背負っていないのかもしれませんが、他人事ではなく私達も同じことです。

「いつ、いかなる時に…」と言う心構えも大切ですが、阿弥陀様のお救いを信じ、ともに法然上人のお念仏をお称えする私達は、この世を終えたら、それで終わりではなく、先立たれた方々とも、この世に残す人とも、またお会い出来る。それがお念仏の御教えです。

今ある時間を大切に。そしてお念仏は忘れずに。合掌

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