おてらからのおたより  ―平成29年9月のことばー

 「人の道 親がつくって 子が歩む」

春のお彼岸、夏のお盆、秋のお彼岸の季節は、お墓に沢山の花が供えられ、とても華やかです。それは供えられた色とりどりの花々もさることながら、花を供えた方々のご先祖への大切な思いが溢れているからだと思います。

先日、朝のワイドショーで一軒のカフェが子供連れの客の入店を禁止したと放送していました。いま流行の古民家風のそのカフェのあまり目のつかない場所に、子供が破ったと思われる障子の紙が何度もこっそり捨ててあったからだと言います。カフェの店長は、「子供が悪戯をしたり、ものを壊してしまったりするのはしょうがない事。けれども、そんな子供たちを正さなければいけない親が、お店に詫びもせず、こんな行動する。もうこんな寂しい思いをしたくないのでやむを得ず子連れのお客さんの入店はお断りしています」と語っていました。立派な大人になって欲しいことを望む親自らが、間違った言動や行動を行い悪い見本となってしまったら、その姿を見聞きして育つ子供は、どんな大人になってしまうのか、とても不安になりました。

 春秋のお彼岸、夏のお盆の季節は沢山の花々が供えられた美しい光景が見られる反面、淋しい思いにかられる時期でもあります。それは花を包んでいた包装紙や長さを調節するために切られた茎などが境内に捨てられていることが“しばしば”あるからです。また最近は、花束を包んでいたセロファンを付けたまま花を供える人が特に目立ってきました。セロファンは、移動中に花や茎が折れないように守るためのものであって飾りではありませんし、セロファンに包んだままでは、花の持ちも悪いといいます。おまけにセロファンは、プラスチック製品ですから、花を下げる時には、全て取り外して捨てなければいけません。

お墓参りは、子や孫が学校では習わない大切なことを学ぶ貴重な機会です。身も心も清らなあなたの姿や行いを、家族や身近な人はもとより、ご先祖さまも見ています。                          合掌

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