おてらからのおたより  ―平成28年11月のことばー

 「ありがたいとは 有ること難し」

秋は出張シーズン。お十夜のあるこの季節は、全国さまざまな地で
を説かせていただく。先月は長崎県上五島にご縁をいただいた。
朝6時過ぎの電車で仙台空港へ向い、8時発の飛行機で大阪・伊丹
港へ。飛行機を乗り換えて、一路長崎空港へ。長崎空港からは
程バスに揺られ長崎港へ。長崎港からは高速船で1時間40
分。約8時間の長旅の末、ようやく上五島に着くことが出来ました。
やれやれと一息つき、初めてお会いする阿弥陀様にお念仏をお称え
すると「よく来たな」と仰っているようにも、「きちんと伝えなさいよ」とハッ
パを掛けられているようにも感じます。

しかし、よくよく省みれば、電車も飛行機もない時代に、法然上人の
お念仏の御教えを遥かな地までお伝えされた方がおられ、今もその
御教えが脈々と息づいている事は本当に有り難いことです。そし
て、全ての人を救い摂ると誓われ、難行苦行の末に仏と成っていた
だき、“我が名を呼ぶだけで良い”と、私達が救われる唯一の道をお
作りいただいた阿弥陀様を拝む時、お念仏を申さずにはいられませ
ん。

聞けば上五島の地にお念仏をお伝えされたのは、磐城の国の方。宮
城の地にお念仏をお伝えいただいたのは、九州ご出身の金光上人。
何か深いご縁を感じますし、まさに“ありがたいとは有ること難
し”、当たり前などないということを教えられます。
今年は金光上人800回忌の年。金光上人、法然上人、そして阿弥
陀様のご苦労を偲びつつお念仏をお称えしましょう。    合掌

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