おてらからのおたより  ―平成26年8月のことばー

 「幼な子に 合わせてみせる この両手」

夏真っ盛り。先日、炎天下のなか、赤ちゃんを抱っこするお母さんの姿がありました。さぞかし暑くて大変だろうなと眺めていると、お母さん、赤ちゃんのおでこに“チュッ”。誰に見せる訳でもないけれど、何ともほっこりさせられました。

様々な復興計画が進むなか、残念な話を耳にしました。新設を予定する岩沼市の火葬場が、地域の住人に反対されているというのです。以前、同じような話が東松島にもありました。震災時、山形や岩手まで行かなければ火葬も出来なかったのに…。

震災で移転を余儀なくされたお寺さんも、移転予定地の近隣住人から「近所で礼服姿の人を見る機会が増えるから嫌だ」と言われたと聞き、愕然としました。

誰もがいずれお世話になるのに、自分だけは嫌なんですね。臭いものには蓋をすればいいんですね。昔の教えはそうでなかったはずです。人が嫌がることを率先して行い、あるべき姿をしてみせる。そんな大人の姿が求められています。

お盆の季節。亡き方々にそっと手を合わせる、そんな後ろ姿を子供たちや孫たちに見せましょう。

レジャーも結構ですが、家族揃ってお墓参り・寺参りしませんか?ご先祖さんたちも待っています。         合掌

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