3月のことば



「先立ちし人を想い 我が命を思う」


常あるもの無きこの世。

先立ちし人々の顔が浮かび、時間が経とうが何だろうが涙がこぼれてくることがある。

無常の世であることをしっかりと受け止め、悲しみや苦しみの原因となる執着の心を解き放つことが出来れば、悲しむことも苦しむこともないのだろうけれど、この世にいる私たちは、残念ながらそのような執着の心から逃れることが出来ない。

でも、目に浮かぶ顔はなぜか不思議にみな微笑んでいる。

もしかすると、憂いや悲しみなどから解き放たれた極楽にいらっしゃるから笑顔で微笑んでくれているのかもしれない。

春のお彼岸と震災から10年を迎える。

先立ちし人がもっともっと笑顔になられように、誰もが救われるナムアミダブツのお念仏を称え続けたいと思う。私もいつかこの世を去る時が来たならば、阿弥陀さまに極楽浄土へと救っていただき、笑顔であの人々に会いたいと思う。

あの人が共に過ごしたかった今日を、そして明日を大切に過ごしたいと思う。




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