5月のことば

 



「卵を割らなければ オムレツは作れない」

最近、ある葬儀社さんからとてもショッキングなことを聞かされました。

それは現在、仙台市で亡くなられる方の半数近くが、病院や施設から火葬場へ直行し葬儀をしない『直葬』だということでした。

数年前には1割から2割と聞いていたのに、コロナ禍も相まって一気に加速してしまったようです。


世の中が大きく変わり、人と人との関わりも希薄になり、肉親への想いも大きく変容しているのでしょうが、なんともやるせない思いで一杯です。

時間や思い出を共有する家族や親や兄弟に対し、本当は“安らかなところに行って欲しい”“健やかであって欲しい”そんな思いを抱いているけれど、たまたまその方法を知らないだけであって欲しいと願うばかりです。


今月の言葉は、「卵を割らなければ オムレツは作れない」

何らかの犠牲を払わなければ目的を達することは出来ないという意味のフランスのことわざです。


大切な人の旅立ちは、犠牲でも義務でもないはずです。

大事な人の一大事。手持ちのスマホやパソコンで仏教の教えや寺や和尚を調べることは、料理のレシピや知りたいお店の場所を調べるのと同じくらい容易なことです。

どうか、大切な人とのお別れを大切に過ごしていただきたいと切に願います。


もし葬儀を勤めなくとも、「安らかなところに行って欲しい」「健やかであって欲しい」そのような思いがあるなら、せめて「阿弥陀さま、私の○○さんをお願いします。ナムアミダブ・ナムアミダブ」とお念仏をお称えください。あなたの亡き人への想いを阿弥陀さまはしっかりとお聞きになられ、願いを叶えてくださいます。

浄土宗のお念仏は、卵を割るより簡単です。


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