3月のことば

 


「ナムアミダブツと共に 亡き人へ想いを伝えよう」


先日、とある人から電話をもらった。

Mさんというこの人は、以前とても懇意にしていただいていたのだが、それぞれの家庭の事情や様々な状況から疎遠になっていた。少なからず震災の影響もあったかと思う。

そんなMさんと偶然会うことができ、時を忘れて立話しに興じた。大の大人がこんな言葉を口にするのは相応しくないのかもしれないが、Mさんがとても愛おしく感じ、取り戻せない過ぎ去った時間を悔やんだ。

年が明けたある日の昼、家内もMさんと会うことが出来たと、その時の様子を楽しげに話していた。

その日の晩、Mさんから突然電話をもらった。震災後初めてのことかと思う。

お互いの現況や他愛もない話だったが、時間を忘れてしばし話すことが出来、電話を切ったあと、とても穏やかで温かな心持ちになった。

たかだかと言っては何だが、たった一本の電話での会話であったが、Mさんが私に声を聴かせてくれたことがとてもとても有難く、言葉には無いが「あなたが大切な」との想いを感じた。顔は見えなくとも、人の声や想いに、こんなにも大きな力があるのかと驚された。


今月は震災の日やお彼岸を迎える。

お経には、極楽に救われた人は、私達の声や想いを受け止めることが出来ると説かれている。

私には亡き人の声を聴くことは出来ないが、溢れんばかりの声や想いをナムアミダブツのお念仏と共に伝えたいと思う。     合掌

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