6月のことば


 

「自我を折ることが出来て 初めて祈ることが出来る」

                  ―折ると祈るー(吉野 弘)

6月に入り、雨の日が少しずつ増えてきました。

ところが米どころ新潟の一部地域では水不足によって田んぼが干上がりそうだといいます。雨不足と昨年の暖冬による雪不足が影響しているそうで、梅雨による恵みの雨を祈るばかりです。

 

梅雨には長雨がつきものですが、分かっていても洗濯物が乾かないとか、やれお風呂にカビが生えるだとか、ついつい不平不満が口から出てしまいます。

顧みれば私たちには、常に「私にとって」と言う事が第一にあります。

「私にとって良い天気」「私にとって良くない天気」

「私にとって具合の良い人」「私にとって具合の良くない人」

「私にとって好ましい幸せ」「私にとって好ましくない幸せ」

などなど、自分自身の胸に手を当ててみると、胸が苦しくなる程です。

今月の言葉は、詩人・吉野 弘の「折ると祈る」という詩です。

確かに「私にとって」という「自我」を捨ててこそ、神仏に額づき真摯な心で手を合わせることが出来るのでしょう。しかし、なかなか「私にとって」という自我から逃れられない私たち。

自我を折ることが出来ない私であると我が身を見つめ、こんな私であってもお救いくださる阿弥陀様の名をただただお称えしたいと思います。                                                                               合掌

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