「6月のことば」

 


「念仏は いまと未来の 道しるべ」

先月、稚内のお寺へ行ってきました。

さすが北端の町、仙台では一月ほど前に散ってしまった桜が咲き、本堂ではストーブが焚かれておりました。

無事5日間の行事を勤め、帰路の為に空港に向かうと搭乗予定の便が欠航する可能性があるとのしらせ。

稚内は日常的に強風が吹くため欠航は珍しいことではなく、現に1日2便のうちの午前の便は欠航でした。

折り返し運航なので、稚内空港に着陸出来なければ出発地に戻り自動的に欠航になってしまいます。

待合室にいた搭乗予定の人々は、藁をもすがるような思いで着陸する飛行機を見守っていました。

いよいよ着陸態勢に入った飛行機は、肉眼でも確認できるほど強風に煽られグラグラと揺れながらも無事着陸することでき歓声と拍手が上がりました。

幸いにして私は、予定通り帰路に就くことが出来ました。

 

行く場所や着く場所が定まらないことは、不安でしかありません。いや恐怖とも言えるでしょう。

 

この世の命を終えた時に私はどこへ行く?

どこに行ける?

どのようなところに行ける?

 「この私」は、このような所に行くと明確に答えられますか?


これらの問いを明確にしてくださったのが浄土宗を開かれた法然上人です。

法然上人はお釈迦さまの御教えの中から、阿弥陀さまのお救いを見出されました。貪る心や怒りの心、この世が常に移り変わることさえも受け入れられない者であっても、「ナム・アミダブツ、ナム・アミダブツ」と阿弥陀さまの名を呼べば、阿弥陀さまが西方極楽浄土へとお救いくださるというものです。

阿弥陀さまが、阿弥陀さまを呼ぶ声を探し出され、極楽浄土より呼ぶ者の目の前まで迎えに来てくださり、極楽浄土へとお連れいただけるのです。

お念仏を称える人は独り旅ではないのです。

日頃から心を込めてしっかりと阿弥陀さまの名を呼び続けましょう。             ナム・アミダブツ

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